2019/11/27 21:42

「草画帖」の野菜号を出した翌日、土間で大根を見つけました。短い葉付きの普通の一本。前回はそれこそ十センチほどの赤ん坊大根をそのまま筆に使いましたから、今度は葉の部分を。



たっぷりと墨をつけて、水もやや含ませて……途中から描き味よく走っていた筆が、最後のところでくにゃ……と、でもまあこれぐらいは草筆上々です。やっぱり水々しい筆はいい。草でも木でも、乾くと柔軟性が無くなります。線はしなやかさが一番大事。


なんだか潤った線、人格の〈ふうら〉。大根の甘さ、水々しさが出たような気がします。その前には辛さが出た〈ふうら〉もいたので、これで良しと筆を置きました。

葉の数枚を筆にもらった後の本体とは、それからのおでん鍋で出会いました。こちらこそ、甘くて水々しくて、滋味。日々のエネルギーを分け与えてもらって、今度は草筆初めての大作にトライしてみました。

今月の晦日に半日だけ小さなギャラリーで展示することになっています。そこの壁面に木枠が組んであって、その中に収まる絵があっても面白いだろうと試みたものです。あまり変型でも困るので、半切を横半分に裁断、35 x 68 cm。葉書一筋の草筆にとって、これは大きな寸法です。大根ならこなせるだろうと、数日取り置いた葉から一枚(一本)適当なのを選んで取りかかりました。



さすがに葉書と異なり時間がかかりました。
これを展示するかどうかは、搬入して実際に木枠の中に収めてみてから。

因みにもう一点は、月下美人筆。
こちらはもっと大きなサイズが合うようで、いやはやとんでもないじゃじゃ馬でした。