2019/12/18 18:55

昨日12月17日は小川芋銭の忌日でした。

草画の大先輩で、だんだんとこの人が慕わしくなってきます。
最も好きな絵が「樹下石人談」。榧と椎の大木の下で何人かの石人が語らっています。芋銭の在所の寺に立っていた榧と地蔵がモデルだそうです。この絵の風景がとても懐かしい。遥かな夢幻境です。絵の中の石人と北条石仏とが、どこかで通います。
久し振りにこの絵を眺めて、どうと風に吹かれました。

芋銭を偲んで、墨を磨り、一本の木筆をとりました。
描くのはいつもの葉書に〈ふうら〉。何枚か描いた後に、樹下のふうらも描きたくなりました。



昔、「樹下二笑羅」という絵を描いたことが有ります。葉書に描くのは初めて。
筆はニワトコの小枝です。十四粒の実が着いたまま。描かれた木はケヤキ(のつもり)ですけれど。

それから芋銭その人を描いてみました。



人物を描くのは久々のこと。やっぱり難しい。敬愛する人しか描けませんし、敬愛している分また難しい。

そうこうしている内、日付は変わり、12月18日、パウル・クレーの生誕日に入りました。
芋銭もクレーも、〈ふうら〉にとても近くいてくれるひと。
珍しくたくさん描いた日、最後の一枚はどことなく、芋銭からクレーへのうつろいが出て……。



今日はクレーを想って、ぞんぶんに線を楽しもうと考えています。