2020/01/07 22:10

── 七草粥を作るから、その前に筆にしたいものがあるならどうぞ。
家人がそう言ってきました。じぶんで摘んできたものではなく、パックになった七草セットで、愛媛県西条産。農家の名前もあります。

春の七草でこれまで筆になってもらったのは、ハコベラ、ナズナ、スズシロの三種。
秋の七草は全種試みて、「草画帖」18号でも特集しました。
これから残りの四種を探して、ゆっくり描きそろえていこうと思っていたところです。七種そろってあるなら、それでこの日にいっきに描けばいいではないか……



描いてみました。一種に四枚ずつ。
まず、ホトケノザから。
シソ科のホトケノザや、オニタビラコは赤鬼青鬼ともにもう馴染みの筆ですが、キク科の現名コオニタビラコは初めて。
それからセリ、ゴギョウ。これらも身近で見るものの、絵を描くのは初めてのこと。
摘んでから日にちが経っているので、みんな柔らかい。しゃんとした線が引きにくいが、なんとかコントロールして、
左からセリ、ゴギョウ、ホトケノザ。



左からスズシロ、スズナ、ナズナ、ハコベラ。
スズナ以外は経験者ですが、ナズナはいつも花茎だったので、葉になるとやっぱり勝手が違いました。
四枚ずつ描く内、一枚は笑羅を描いて、草の名を添えました。



七草七笑羅です。

草筆で描く以前に、「七草七笑羅・春」「七草七笑羅・秋」という作品を描いています。ともに一つの画面に七人が笑っている絵で、「ふうらそれぞれ好みの草(花)は」と言葉が入り、続いて七草の名が書いてあります。
今回はそれぞれの草で一人ずつ…という趣向でした。

七種二十八枚。最後はスズシロの筆。疲れましたが、エネルギーは七草粥から貰ったように思います。