2020/03/08 19:25

三月七日の厨の窓辺です。


モーリス・ラヴェル、安部公房、林静一…が生まれた日。
誕生花…ナノハナ、タネツケバナ。誕生樹…ジンチョウゲ。

誕生花は他にも幾つかあって、カンパニュラ、ニリンソウ、オキナグサ、レンゲソウなど。どれもまだ花の季節ではないので、ナノハナとタネツケバナを探しました。もっともナノハナは台所の食材(水菜)で、勝手に花が咲き出したもの。

それらを一日飾って、夜には今度画材になってもらいます。と言って、静物画やスケッチの対象ではなく、描く側の筆に。
まずは裏庭のジンチョウゲ。今までに筆の経験はありません。紅白ともに咲いていたのが、いつか白花が消え、次いで赤いのも消えたと思ったら、白い方が復活という来し方です。枝先に花も葉も密につくので、筆には向かない形状ですが、誕生樹とあってはお願いするしかありません。



枝は柔らかくて良し。でも葉書には太くて、難儀しました。久し振りに画面いっぱいに顔だけの〈ふうら〉も。
最初の一枚には、筆になる植物の名を書くのが恒例です。そうすると、これからその筆になる植物とのコラボレーションに気が入ります。また後でアルバムに整理しても分かりやすいということもあります。字は難しいので大変で、沈丁花三文字も苦労しました。



ジンチョウゲよりもさらに太いのがミズナのナノハナでした。葉っぱだけのやや細いのを使うしかないかなと思っていたところ、案外描き味に妙味があって、ぐっと乗りました。大げさに言うと、気韻が生動してくる感じです。すぐに何かでまた萎みますけれど…。
水菜はこどもの頃から好きな菜っ葉で、その菜の花で楽しく描けたのもうれしいことでした。