2020/05/08 00:44

知人から戴いた牡丹が咲き終わったので、筆にお願いしました。


牡丹は蕪村に教えられた花です。
  牡丹散て打かさなりぬ二三片
  牡丹切て気のおとろひし夕かな
  方百里雨雲よせぬぼたむ哉
  ちりて後おもかげにたつぼたん哉
  寂として客の絶間のぼたん哉
  虹を吐いてひらかんとする牡丹哉
「蕪村全集 第一巻 発句」には二十八もの牡丹の句が咲き誇っています。これらの句を一緒に堪能した家人が、翌日花屋で牡丹の蕾を買ってきました。一本五百円でした。1984年の春もゆく頃。その後、犀川(金沢)を遡った大桑という村で、庭々に丹精に育てられた牡丹を見てますますこの花に魅せられました。



それで、まず最初に「蕪村」と書きました。これは花軸の先で。
次に花の後の実になる部分で「蕊」と「悲」。
それから〈ふうら〉を描いて七人目で、草画通算八千枚になりました。胸に牡丹を咲かせました。

七千枚が去年の11月17日。19日から新しい澄泥硯を使い始めたので、小型の風字硯で千枚描いたことになります。まだ墨の下り具合、量など掴みきれていないのに、ちょっとした感慨も湧きます。