2021/04/14 22:00

4月10日に草画が一万枚に達しました。

もう少しのんびりいくつもりが、春の草木のリズムにつられました。春と秋は、庭でも野辺でも道端でも次々と花が咲き、貰いものもあったりします。おのずと筆にして絵を描く機会も増えてきます。





文房での仕事仲間たち。
硯を研いで、松壽堂のへちま墨を用意。筆にはこの時シュンランとタイサンボクを予定。獏の水滴と竜の筆置。





最初の一枚は、磨り了えた固形墨でそのまま「萬」という字。





まずはシュンラン筆。今年は二本の花芽が出て、咲いたのは一輪。花はもう萎れ、茎も硬く、描き心地はいまひとつ。咲かずに朽ちかけたもう一本はくにゃりとして線が走りません。でもこういう方が懸命になって面白い絵ができます。ただ墨をじわじわ吸い上げてくるので、
指が汚れやすく、ともに四枚ずつで打ち切り。





土筆で始まった草画だから、一万枚目は木筆のタイサンボクでと思っていました。それを庭に出て変更。シロヤマブキが初の一輪を着けていたのです。それで描いたのが上の絵、通算9999枚目でした。




10000枚目はこのひと。
はるかを見やるもの静かな〈ふうら〉になりました。

この日は珍しく墨を磨り足しました。それで、へちま墨でこんな一枚も。





当初、こんな枚数を描くなどとは夢想だにしませんでしたから、ちょっとした感慨はあります。
でもこれも旅の通過点。草の心の、草の旅はもうしばらく続くでしょう。